日本における漆喰(しっくい)は、1500年近くの歴史を持つ伝統的な建築材料のひとつで、英語でも「Shikkui」と表記されるほど。高度経済成長期以降、住宅様式の変化などからその需要は失われていましたが、近年では自然由来の原料による安全性の高さから再び注目されています。今回は、その漆喰を使用しての内装塗装の現場をご紹介します。
漆喰の効果
時代の変化に伴う住宅様式の変化により需要が失われていた漆喰は、近年になり住まいの安全・安心に対する意識の高まりやライフスタイル、価値観の多様化から再び注目されています。その漆喰にはどのような効果があるのでしょうか。
漆喰の使用例:姫路城
その雄大でまぶしく輝く白壁から別名白鷺城(しらさぎじょう)と呼ばれる。国宝であり世界文化遺産のひとつ。
今回の施工現場
今回の施工は浦添市内にある築50年のマンションの一室。リフォームによる屋内塗装です。
いつもお世話になっている「総合リフォーム栄一総建」様より施工の依頼を承りました。
今回使用した漆喰塗料「アレスシックイ」
従来の漆喰は、粘り気が強く、どちらかというと個体に近いもので、こてによる左官が一般的でした。しかし、今回使用したこの「アレスシックイ」は、漆喰本来の機能性を備えながら塗料化したことによって、ペンキのように柔らかい素材で、ローラーで塗布することが可能となり、室内空間の快適さはもちろんのこと、施工側としても効率よく作業を進めることができるものでした。
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施工後
施工期間は乾燥を合わせて4日間。見た目はあまり変わっていないように思えますが、快適さは格段にアップしました!施工時は雨が降っていましたが、室内にジメジメ感はなく、快適な空間ができあがりました。自然由来の塗料であることから環境にやさしく、特にお子さんがいるご家庭や、築年数が長く内装の塗装をご検討の方にもおススメです。
屋内塗装で心掛けていること
さて今回は、これまで紹介してきた外壁の塗装や防水施工とは異なり屋内での施工となりました。外壁と屋内ではその環境の違いから当然、配慮しなければならないことは異なります。今回の施工にあたって心掛けてきたことをご紹介します。屋内塗装をご検討している方はぜひ参考にしてください。
- 打ち合わせ
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外壁の場合は、万が一塗布箇所を誤ってしまっても、これを上書きするように上塗りすれば解決しますが、屋内ですとドアや窓枠、備え付けの家具類など、誤って塗布すると取り返しのつかない建材があります。塗って良いところ、塗ってはいけないところをはっきりさせ、お客様と齟齬のないように綿密な打ち合わせが必要です。
- 養生
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塗って良いところ、いけないところをはっきりさせたとしても、施工中は油断禁物。施工の拍子に塗料が飛沫しドアや窓などに付着してしまっては大変です。そうならないように、厳重な養生が必要です。
- 通気
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塗料全般にいえる重要な工程のひとつに「乾燥」があります。やはり屋内は外壁と違い乾燥にかかる時間がかかってしまいます。だからといっておろそかにするわけにはいきません。表面だけ乾燥させても、内側が乾燥していなければその効果を活かすことができません。常に風を通しながら施工していく必要があります。
今回の施工を通しての感想
今回は、屋内壁の漆喰を用いての現場となりました。通常、屋内壁の補修は「クロスシート(いわゆる壁紙)」を使って行う場合が多いのですが、その機能性から断然、漆喰をおススメします。クロスシートよりも少し費用がかかってしまいますが、耐久性は抜群。コストパフォーマンスを考慮してもこの漆喰をおススメします。